卵巣がん検査に用いるCA19-9とは?検査の概要、数値の見方を分かりやすく解説!
女性特有のがんである卵巣がんは近年、発症する人が増え続けている病気です。 卵巣がんの腫瘍マーカーとして、CA19-9というたんぱく質が知られます。
この記事では、卵巣がんはどんな病気?CA19-9とは何?という基本的な疑問にお答えします。
卵巣がんの検査に関する理解を深め、正しい知識を持って適切に受診しましょう。
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そもそも卵巣がんとは?基本情報をおさらい
本記事は、卵巣がんの基本情報から検査に用いられるCA19-9まで、幅広く知りたいという方におすすめです。
特にCA19-9の検査については、メリット・デメリットや数値の見方についても詳しくまとめていますよ。
卵巣がんの症状・原因について
卵巣がんは卵巣に発生する悪性腫瘍で、初期には自覚症状がほとんどありません。
- 洋服のウエストがきつくなる
- 下腹部にしこりが触れる
- 食欲がなくなる
上記の症状をきっかけに受診し、卵巣がんが判明する場合もあります。 卵巣がんの直接的な原因は不明ですが、生活習慣や肥満、子宮内膜症などの婦人科系の病気が危険因子です。
がんが進行すると、腫瘍が大きくなりお腹が圧迫されるため、頻尿や便秘が起きたり、脚がむくんだりすることもあります。
卵巣がん検査に用いられるCA19-9とは
卵巣がん検査に用いられる「CA19-9」を解説します。
CA19-9は、Carbohydrate antigen 19-9 の略です。
卵巣がんとCA19-9は、いったいどんな関係があるのかをみていきましょう。
CA19-9とは腫瘍マーカーの一種
CA19-9は、腫瘍マーカーの1つで血液検査で調べられます。 腫瘍マーカーとは、がん細胞やがん細胞に反応した細胞によって作られるがん特異的な物質のことです。
CA19-9は子宮内膜や消化管などに多く存在し、CA19-9を調べることは次のような病気をみるのに役立ちます。
- 膵臓がん
- 胆管がん
- 胆のうがん
- 胆石
- 胆管炎
- 子宮体がん
- 卵巣がん
- 乳がん
- 肺がん
- 膵炎
検査結果は、採血から1時間半程度で確認できる医療機関もありますよ。
CA19-9の目的と役割
CA19-9は早期がんの発見には有効ではなく、治療効果をみるのに役立つ検査です。 代表的なものとして、膵臓がんの化学療法や放射線療法の効果判定に使われています。
化学療法が有効な場合に血液中のCA19-9減少が認められるため、膵臓がんの進行度がわかるのです。
さらに、卵巣腫瘍が良性か悪性かを区別する際にも、CA19-9の腫瘍マーカー検査が選択されます。 腫瘍マーカーが高値を示す場合に悪性の可能性が高いため、CA19-9が使用されているのですね。
卵巣がん検査におけるCA19-9のメリット・デメリット
卵巣がんの診断に使用されているのが、腫瘍マーカーであるCA19-9です。
卵巣がん検査において、CA19-9を利用するメリット・デメリットを順にみていきましょう。
メリット
卵巣がん検査でCA19-9を利用するメリットは、がんが良性か悪性かの推定が手軽に血液検査でわかる点です。
卵巣は腹腔内にある臓器で周囲には腸や子宮などがあるため、腫瘍の一部を採取することは難しいとされます。
実際には悪性の可能性が高いと推定されてから手術を行い、術中・術後に行う病理組織検査で初めて卵巣がんだと診断がつくのです。
さらに治療前にCA19-9が高値を示した場合には、治療途中に検査をして治療効果の判定や再発確認にも利用されてますよ。
デメリット
卵巣がん検査でCA19-9を利用するデメリットは、がんでなくても数値が高くなることがある点です。
CA19-9が高値となる良性疾患は、肝疾患や糖尿病などが報告されています。 その他に加齢や妊娠、喫煙、薬の成分などが無関係に腫瘍マーカーの数値に影響することも。
さらに、がんがあってもCA19-9の数値が高くならないこともあります。 またCA19-9は早期がんでの陽性率は低く、がんのスクリーニング検査には不適とされていますよ。
CA19-9の数値の見方
CA19-9の検査を受けたとき、結果がどのくらいの数値だと高いというのでしょうか。
腫瘍マーカーには、それぞれ基準値が存在しています。
CA19-9の数値の見方について解説していきますね。
CA19-9の基準値と高値
CA19-9の基準値は、多くの医療機関で37 U/mL以下とされています。
また37~50 U/mLで軽度上昇、50~100 U/mLで中等度上昇、100 U/mL以上で高度上昇とも分類。
CA19-9が基準値より高い場合は、消化器を中心としたがんや病気の疑いがあります。
一方で、がん以外にも肝硬変などの良性疾患で100 U/mLを超える異常高値となることもあり、臨床所見をふまえた総合的な判断が必要です。
CA19-9の数値が1000以上はがんのリスク大
CA19-9の数値が1000 U/mLを超える高値の場合は、がんが存在する可能性やがんの進行度が高いことがあります。
また他にもCA19-9が高値の場合に挙げられるのが、治療効果が低下したり生存率が悪化したりする可能性。 さらにがんの転移の可能性もあるので、直ちに医療機関で精密検査を行うことが必要です。
具体的には、血液検査以外にも超音波検査やMRI、婦人科疾患が疑われる場合は内診も含めた精査が推奨されます。
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CA19-9の検査の流れ
CA19-9の検査の流れを事前に知っておくと安心ですので、以下を確認してくださいね。
- 検査の予約(医療機関の予約ページへのアクセス・電話・直接来院など)
- 受付・問診票への記入
- 医師の診察
- 採血検査
- 検査費用の支払い
検査後には、検査結果の受領方法や注意事項などの説明を聞いてから帰宅しましょう。
CA19-9の検査費用
CA19-9の検査費用は、いくらかかるのでしょうか。
検査をどんな目的で受けるか次第で、費用が変わってきます。
検査費用の保険適応の有無と自己負担額をみていきましょう。
保険適用と自己負担額
腫瘍マーカーは基本的に保険適用外で自費検査となり、1つのマーカー毎の自己負担額は2~5千円程度です。
健康の維持や増進を目的として腫瘍マーカー検査を受診する場合には、保険外診療となります。
例外として、すでに症状があり医療機関を受診した結果、腫瘍マーカー検査を受けることになった場合には、保険適用の対象となることがありますよ。
まとめ
この記事では、卵巣がんはどんな病気なのか、CA19-9とは何かという基本的な疑問にお答えしました。
卵巣がんは珍しいがんの部類でしたが、2019年には子宮頸がんの人数を超えて発症する人が増ています。
検査に関する正しい知識を持ち、がんのリスクに備えたり病気の診断時に役立てたりできるといいですね。
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