がん検査とは?検査の種類や費用、おすすめの検査キットなども紹介!

がんの早期発見・早期治療のためには、がん検査が有効です。

40年以上の間、日本人の死因の第一位は「がん」です。しかし、現在では早期に発見された場合の5年生存率が90%以上のがんが多く、早期の発見・治療により治癒率も高くなります。 そのためにも、定期的にがん検査を受けることが何より重要です。

今回はがん検査について、まずはその種類、流れ、費用、検査項目、メリット・デメリットをご説明します。そして、おすすめのがん検査キット3選もご紹介します。

がん検査とは

がん検査とは

がん検査とは、がんの自覚症状がない人を対象に、身体にがんがあるかどうかを調べる検査です。

がん検査によりがんの疑いがあると判定された場合は、より精度が高い精密検査を受ける必要があります。

がん検査には自治体による住民検診のような「対策型検診」と人間ドックのような「任意型検診」があります。

がん検査の種類

がん検査の種類

がん検査には比較的簡単なものから大掛かりな専用の機器を使うものまで、多種類の方法があり、がん種によって使い分けられています。

また、新しい検査方法も続々と開発されています。 ここでは、がん検査の中から、血液検査、尿検査、PET検査の3つに絞り最新の知見も含めてご紹介します。

血液検査

血液検査には、「腫瘍マーカー」を指標とする方法がよく知られています。

現在では、「マイクロRNA」を指標とする方法の研究も進んでいます。 腫瘍マーカーを指標とする方法は、がん細胞が作る特定のタンパク質や糖の量をモニタリングする方法です。精度が高くないうえに早期がんの発見には向いておらず、この検査でがんが見つかった場合はある程度進行している場合が多いです。

マイクロRNAを指標とする方法は、がん患者の血液中のマイクロRNAの組成を調べる方法です。13種類のがんを高精度に判別できることが実証されています。近い将来、1滴の血液から短時間かつ非常に高精度で早期がんの診断ができる日が来ると期待されています。

尿検査

尿検査は、従来から排出器系(膀胱、腎盂・尿管)のがん検査の一つとして行われています。

目視や顕微鏡で尿中に血液やがん細胞が混ざっていないか等を確認します。また、膀胱がんは腫瘍マーカーを指標にして診断します。 なお、2022年には尿に含まれる「マイクロRNA」を指標として、7種類のがんのリスクを早期発見する検査が開始されました。

現在、この検査を行う医療機関が増加しており、さらに検査キットをWebサイトで購入することもできます。 さらに、線虫が尿に含まれる「がん特有のにおい」に誘引される性質を利用した検査キットも市販されています。これにより全身15種類のがんリスクを評価することができます(がん種の特定はできません)。

pet検査

PET(Positron Emission Tomography)検査では、1回で全身のがんの有無や転移・再発がないかを確認できます。

PET検査は放射性同位元素を付加したブドウ糖を使い、がん細胞に取り込まれたブドウ糖の分布を撮影します。がんの早期発見や良性・悪性の判別も可能です。PET検査はCT検査と組み合わせることで、より高い精度でがんを診断することができます。

なお、PET検査では、脳、心臓、胃、腸、肝臓、咽頭口蓋、膀胱、腎臓等の診断は難しいとされています。

がん検査の流れ

がん検査の流れ

がん検査は一般的にどのように行われるのか、流れを簡単にご説明します。

  1. がん検査(一次検査、スクリーニング) 例えば大腸がんの場合は「問診」と「便潜血検査」を行います。 検査結果は、「異常なし」または「要精密検査」のいずれかが通知されます。「要精密検査」だった方は医療機関で精密検査を受ける必要があります。
  2. 精密検査(二次検査) 例えば大腸がんの場合は基本的に「全大腸内視鏡検査」を行います。 検査結果は「異常なし」または「がん」のいずれかで、「がん」と確定診断された場合は、今後の治療方針について医師らと相談することになります。

大腸がんと子宮頸がんの場合は、「前がん病変」の診断がされることがあり、治療や経過観察のための通院が必要になります。

がん検査の費用

がん検査にかかる費用についてご説明します。自治体が実施しているがん検査(集団検診、個別検診)では費用の補助が受けられ、自治体ごとに自己負担額は大きく異なります。

がん検査1種類につき、高くても4,000円程度で、100円や無料の場合もあります。また、委託医療機関で実施する個別検診では、集団検診よりも費用がやや高くなります。 がん検査の費用は各自治体が運営するWebサイトで調べられます。例えば、東京都千代田区では「胃がん」「肺がん」「大腸がん」「乳がん」「子宮頸がん」の5種類の検査を、それぞれ一定の年齢等の条件を満たせば無料で受けられます。

ちなみに、一定年齢の方に特定のがん検査の無料クーポンを配布している自治体も多いです。自分が住んでいる市区町村のWebサイトをチェックすることをおすすめします。

がん検査でおすすめの検査項目

がん検査でおすすめの検査項目

がん検査では、どの検査項目を受けたらよいのでしょうか。

がん検査には、自治体や職場が提供する「対策型検診」と医療機関が提供する「任意型検診」があります。 対策型検診は、がんの疑いのある人を集団から見つけ出し、早期発見により全体の死亡率を下げることを目的とします。公共的な予防対策であるため、先述の通り少額または無料で受けられます。検査により集団の死亡率を下げる効果が立証されていることが必須条件です。 厚生労働省は、この有効性の条件を満たし、罹患率や死亡率が高い以下の5つのがんを対策型検診の対象にしています。

これらは定期的にがん検査を受けることが推奨されています。

  • 胃がん
  • 肺がん
  • 大腸がん
  • 乳がん
  • 子宮頸がん

がん検査を受けるメリット・デメリット

がん検査を受けるメリット・デメリット

それでは、がん検査を受けるメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

メリットは「早期発見ができる」等、イメージしやすいのですが、デメリットは「お金と手間がかかること?」という方も多いと思います。実は命に関わりかねないデメリットもあります。

対策型検診では、メリットがデメリットを上回るとされており、積極的に受けることをおすすめします。不安な方は、「がん相談ホットライン」等でご相談してみてはいかがでしょうか。

がん検査を受けるのメリット

がん検査を受けるメリットとして主なものは、以下の3つです。

  1. 早期発見の可能性がある。がんの早期発見の可能性があるという点が最大のメリットです。もし罹患していても、早期がんであれば治癒率が高く、治療による経済的・身体的負担が抑えられる可能性も高いです。
  2. がん以外の病気発見の可能性もある。がん以外の病気の発見につながることもあります。例えば、前がん病変(ポリープ、腫瘍等)が発見されれば、がん化する前に治療することができます。
  3. 不安が解消される。がん検査を受けて「異常なし」と判定されれば、安心してすごせます。ただし、一度だけでなく定期的にがん検査を受けることが重要です。

がん検査を受けるデメリット

がん検査を受けるデメリットとして主なものは、以下の3つです。

  1. 費用・手間・時間がかかり、身体的負担もかかる がん検査にはそれなりの費用・手間・時間がかかります。また、内視鏡検査のように身体的負担が大きいものもあります。さらに、検査により胃壁に穴が開く等の事故が起きて命の危険にさらされる可能性もあります。
  2. がんを見落とす偽陰性の可能性がある がん検査の精度は100%ではありません。がんが小さかったり、見つけにくい場所にあったりして発見できないこともあります。これを「偽陰性」といいます。そのため、定期的にがん検査を受けることが重要です。
  3. 不要な検査や治療を行う偽陽性や過剰診断になる可能性もある 「偽陽性」とは、がん検査で「がんの疑い」と判定され精密検査を行った結果、がんではないと判明することです。また、「過剰診断」とは、進行がんにならず消滅した可能性のある早期がんを発見し、手術や治療を行うことです。現在、早期の段階では命に関わるがんとそうでないがんを区別できません。そのため、本来は不要であった検査や治療を行うことになる場合もあるのです。

最新のがん検査キットおすすめ3選!

最新のがん検査キットおすすめ3選!

ここまででがん検査の概要をご説明しましたが、「もっと手軽に調べたい」という方にはがん検査キットがおすすめです。

現在、多種類のキットが市販され、ドラッグストアや電子商取引(EC)サイトで入手できます。 注意点として、がん検査キットは「精度は高くない」「診断用ではない」ということで、あくまでリスクを評価するものです。

ただし、適切に使用すれば早期発見につながる可能性があります。 それでは、最新のがん検査キットおすすめ3選をご紹介します。

ウェルテクト

ウェルテクト

「ウェルテクト」は富裕層向けに健康管理をサポートするヘルスケアサービスです。

4つのサービスが含まれ、そのうちの1つ「がんリスク検査」では、以下の3つが提供されます。

  • がんリスク尿検査セット(年3回)
  • 高リスクと判定された場合のがんドック受診(年1回、20万円まで無料)
  • オンライン相談、セカンドオピニオンの手配等

自身で採尿して郵送すると、がんリスクが4段階で評価され結果が送付されます。 他の3つのサービスは「オンライン健康相談」「血液検査」「遺伝子検査」で、検査の進捗サポートも受けられます。

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N-NOSE

「N-NOSE」は世界初の線虫がん検査キットです。線虫が尿中の「がん特有のにおい」に誘引される性質を利用しています。

全身15種類のがんについて、ステージ1のがんリスクを判定することができるので、がんの早期発見の可能性が高まります。

しかし、がん種の特定はできません。 自身で採尿して指定された方法で提出すると、検査結果が送付されます。「高リスク」の判定が出た方には、無料で結果の解説やアドバイス等のアフターサービスを受けることができます。

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おうちでドッグ

「おうちでドック」は、自宅で数滴の血液と尿を採取して郵送するだけでがんのリスクを調べられるがん検査キットです。

がん以外にも生活習慣病を調べられるキットもあります。 男性用は「前立腺がん」「大腸がん」「食道がん」、女性用は「乳がん」「子宮がん」「大腸がん」「食道がん」のリスクが調べられます。 自身で採血・採尿して郵送すると、検査結果が送付されます。

また、無料で検査結果の説明や体の不調の相談等のアフターサービスを受けることができます。

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がん検査は何歳から受けるべき?

がん検査は何歳から受けるべき?

それでは、がん検査は何歳から受けたらよいのでしょうか。がんは種類によって発症しやすくなる年齢や進行しやすさが異なります。 対策型検診の対象である5種のがんについて、厚生労働省が定めた対象年齢、受診間隔および検査内容は以下の通りです。

  1. 胃がん  50歳以上、2年に1回 「問診」、「胃部エックス線検査」または「胃内視鏡検査」
  2. 肺がん  40歳以上、1年に1回 「問診」、「胸部エックス線検査」、50歳以上で喫煙指数(1日本数×年数)が600以上の方はさらに「喀痰細胞診」
  3. 大腸がん  40歳以上、1年に1回 「問診」、「便潜血検査」
  4. 乳がん  40歳以上の女性、2年に1回 「問診」、「乳房エックス線検査(マンモグラフィ)」
  5. 子宮頸がん  20歳以上の女性、2年に1回 「問診」、「視診」、「子宮頸部の細胞診・内診」

まとめ

まとめ

今回は、がん検査の概要をご説明しました。

・がん検査とは身体のがんの有無を調べる検査。

・がん検査には多種類の方法があり、新しい方法も続々と開発されている。

・がん検査で「要精密検査」だった人は精密検査を受け、がんかどうかの診断を受ける。

・費用は自治体により異なり無料の場合もある。

・「胃がん」「肺がん」「大腸がん」「乳がん」「子宮頸がん」の5つがおすすめ。

・メリットは「早期発見の可能性」、「不安の解消」等で、デメリットは「偽陰性」、「偽陽性」、「過剰診断」等の可能性がある等。

・自宅で採尿・採血しがんリスクを評価してもらえるがん検査キットも購入可能。

・厚生労働省が定めた対象年齢に達した人は定期的にがん検査を受けるべきである。 がんは早期に発見・治療すれば完治する可能性が高くなります。

この記事を読まれた方が積極的にがん検査を受けて、心身ともに健やかな生活を送ることができたら幸いです。

※「ウィルテクト」(以下、当検査)では、健常者とがん患者から得られた解析結果を照らし合わせ、リスクの度合いを情報として提示します。体内環境におけるリスクを把握することで、健康診断、精密検査などのメディカルチェックや疾患予防への対策検討等への参考として利用する検査となります。診断を目的として実施する画像解析や血液・生化学検査等に代わるものではなく、体内にがんがあるかどうかを判断する検査はではありません(がんの診断にはがん種ごとに定められているガイドラインに基づく診断が必要となります)。

 

※記事で紹介した検査は、参考文献の統計データを基にお客様の遺伝傾向を予測するものであり、現在のお客様の健康状態とは異なる場合があります。

 

※記事で紹介した検査は、医療行為に該当せず、診断ではありません。検査結果は医師の診断内容や処方箋を置き換えるものではありません。