子宮頸がん検査とは?方法や費用、結果の見方も分かりやすく紹介!
子宮頸がん検診を申し込む際に、どのような検査方法で費用はいくらかかるのか知りたい方は多いのではないでしょうか。
子宮頸がん検診はがんになる前の異変、いわゆる前がん病変の発見が可能な検診です。
今回は子宮がん検診の検査方法や費用、結果の見方を解説します。 受診間隔の目安や子宮頸がん検査でよくある疑問点を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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子宮頸がんとは
子宮頸がんは、子宮の入口部分である子宮頸部にできるがんです。
20代でも子宮頸がんにかかる人は多く、患者の年齢層は30代〜50代が最も多くなります。
初期の子宮頸がんには自覚症状がなく、検診で早期に発見できれば比較的治療しやすいがんです。
子宮頸がん原因の大半は性行為
子宮頸がんの発生に関連しているのが、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染。 子宮頸がん患者の99%にHPVが認められることからも、子宮頸がんの原因の大半が性行為によるHPV感染であるといわれています。
HPVに感染しても多くは免疫の力で排除されますが、感染が持続すると細胞がダメージを受けて前がん病変となります。
前がん病変の一部が5年〜10年の月日を経て子宮頸がんへと進行するのです。
子宮頸がん検査の方法は2種類
子宮頸がん検診にはパップテスト(子宮頸がん細胞診)とHPV検査の2通りの検査方法があります。
検査の際は下着を脱いで診察台に上がり、膣に器具を挿入して検体を採取。
それぞれの検査の方法や特徴を解説します。
パップテスト(子宮頸がん細胞診)
パップテスト(子宮頸がん細胞診)とは小さなヘラやブラシで子宮頸部の細胞をこすりとって、パップスメア(細胞診検体)を採取する検査です。
採取したパップスメアにがんや前がん病変があるかどうかを臨床検査機関の顕微鏡で確認します。 子宮頸がん検診は長年、パップテストが主流でした。
パップテストが普及した国では、子宮頸がんの患者数と死亡者数が減少しています。 現在でも自治体の子宮頸がん検診は、基本的にパップテストです。
HPV 検査
HPV検査では子宮頸部から採取した細胞が、子宮頸がんの原因であるHPVに感染しているかどうかを検査します。
HPVがみつかった場合にはHPVの遺伝子(DNA)をチェック。 子宮頚がんを発生させやすい高リスク型HPVか、子宮頚がんを発生させる可能性が低い低リスク型HPVかどうかを判断します。
HPVの種類は実に100種類以上。そのうち、子宮頸がんの発生に関わる高リスク型HPVは13種類です。
HPV検査の陽性者の大半はパップテストでの病変がみられず、数年の月日を経て陽性者の一部に病変がみられます。 陽性者の適切な追跡管理によって、検診の効果が高まると期待されている検査です。
子宮頸がん検査結果が出るまでの期間
子宮頸がん検査は、検査した医療機関ですぐに結果が出るものではありません。
検査した医療機関は臨床検査機関へ検体を送り、細胞検査士や細胞診専門医が診断します。
検査の結果に時間がかかるのは、専門家の報告書をもとに総合的に判断して適切な治療に結びつけるためです。
検査結果がわかるのはおよそ1週間〜2週間後
検査結果がわかるまでの期間は1週間〜2週間程度です。
結果を自宅に郵送するか、病院に出向いて医師から説明を受けるかは医療機関の方針や受診者の希望で決まります。 検診の終了時に確認しておきましょう。
自治体の子宮頸がん検診は受診者が多いため、結果を郵送すると定めている場合が多いです。
しかし、自宅に郵送された結果を見ても、見方がよくわからない人は少なくありません。次章では子宮頸がん検査の結果の見方を解説します。
子宮頸がん検査結果の見方
子宮頸がん検査結果のなかで、特にわかりにくい項目はベセスダシステム(ベセスダ分類)と細胞所見欄。
ベセスダシステム(ベセスダ分類)は2008年から日本で使われるようになった国際的な指標です。
細胞所見欄は検査時に採取した細胞の比率を表します。
ベセスダシステム(ベセスダ分類)の見方
パップテストを評価するベセスダシステム(ベセスダ分類)は大きく3つに分類されます。
- NILM=異常なし
- ASC-US
- ASC-US以外の異常
NILM以外は再検査や精密検査が必要です。ASC-USは細胞の形が変化している状態。がんや前がん病変と関連がある形の変化かどうかは判断できない状況です。
細胞の形が変化する原因としては、以下の可能性があります。
- HPVに感染している
- ホルモンバランスの異常
ASC-US以外の異常は、以下の通りに分類されます。
- ASC-H=高度病変の疑い
ASC-US以外の異常は、以下の通りに分類されます。
- ASC-H=高度病変の疑い
- LSIL=HPV感染もしくは軽度の前がん病変に相当する細胞の異常
- HSIL=中等度の前がん病変、高度の前がん病変、上皮内がんに相当する細胞の異常
- SCC=扁平上皮がん(早期がんを含む)
- AGC=腺異型または腺がんの疑い
- AIS=上皮内腺がん
- Adenocarcinoma=腺がん
- other malig=その他の悪性腫傷
細胞所見欄の見方
細胞所見欄は検査時に採取した細胞の比率であり、子宮頸がんの判定ではありません。 比率を「+(プラス)」や「++」、「FEW」で表します。採取した細胞として記載されるのは主に扁平上皮細胞、円柱上皮細胞、遊走細胞。各細胞の特徴は以下の通りです。
- 扁平上皮細胞
→子宮頸部の出口側にある細胞。扁平上皮がんは、子宮頸部がん全体の約8割程度を占めます。扁平上皮はホルモンの影響で層の比率が変化するのが特徴です。そのため、生理周期によって「+」や「++」と表示されることもあります。
- 円柱上皮細胞
→子宮頸部の奥側で粘液を分泌する線細胞。腺がんは子宮頸がん全体の2割程度です。
- 遊走細胞
子宮頸がん検査の費用
がん検査の費用は、検査の目的によって異なります。
子宮頸がん検査を受ける機会は自治体による検診、医師の判断で行う保険が適用される検査、自分の希望による検査です。
また、他のがん検査との比較からみた子宮頸がん検査の費用について解説します。
検査の自己負担額と保険適用
子宮頸がん検診の費用は、他のがん検診の費用と大差はありません。
自治体のがん検診の費用相場は、無料〜2,000円以下。 ただし、自治体のがん検診は胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんの5種類が基本で、受診可能な年齢が限定されています。
医療機関を受診し、医師が治療に必要だと判断した子宮頸がん検査の費用は保険適用で5,000円前後。 特に症状がなく、自分の希望で検診をする場合は保険適用にはならず、自費扱いです。
例えば、国立がん研究センターが運営するがん予防・検診研究センターでの子宮がん検査の費用は40,700円。 肺がんや乳がん、大腸がん検査の費用は30,000円〜60,000円です。
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子宮頸がん検査でよくある疑問点
子宮頸がん検査に関する疑問や不安を抱く人は少なくありません。
子宮がん検診に寄せられる疑問点は、以下の通りです。
- 生理中でも検査はできる?
- 検査は痛い?
- 検査の対象年齢
- 受診間隔はどのくらいが目安?
1つずつ解説します。
生理中でも検査はできる?
生理中に行った子宮がん検診は、正確な結果が得られない可能性があります。
生理中の子宮がん検診は避けた方がよいとされていますが、生理が終わりかけの経血が少ない時期に限り実施できる医療機関もあります。
自治体の子宮がん検診は、生理中の検診を不可とする場合が多いです。
検査は痛い?
子宮頸部は本来、痛みを感じにくい部位。
膣に金属製の器具を挿入されるときに違和感はありますが、痛みはほとんどありません。 恥ずかしさや恐怖心で緊張状態になると痛みを感じやすくなります。
器具が挿入されるタイミングでゆっくりと息を吐き出して、身体の力を抜きましょう。 自然と身体がリラックスした状態になるのでおすすめです。
検査の対象年齢や受診間隔はどのくらいが目安?
子宮頸がん検診の対象年齢は20歳以上。性行為を体験する年齢が早まり、性交相手が増えた世相を反映して若年層の患者が多くなったためです。
子宮頸がん検診の受診間隔は、異常がなくても2年に1度が目安。これは、子宮頸がんが発生するメカニズムと子宮頸がん検診の予防効果が関係しています。 受診間隔を2年に1度にする理由は以下の通りです。
- 一般的に子宮頸がんは進行速度が緩やかであり、前がん状態が進行がんになるまでに2年〜3年以上かかる
- HPVは感染しても、大部分が免疫の力により1年〜2年で排除される
- HPV感染による細胞の変化は一過性であり、頻繁すぎる検診はがんを引き起こさないHPVや細胞を検出する可能性がある
- 毎年検査するのと比べて予防効果が大きく変わらない
つまり、がんを引き起こさないものを陽性と判定するリスクを減らしつつ、予防に役立つ検査になるように受診間隔を2年に1度と設定しています。
まとめ
今回は子宮頸がん検診の検査方法や費用、検査結果の見方を解説しました。
費用は自治体の検診や保険適用で数千円、自費の場合は数万円です。 パップテスト・HPV検査では、前がん病変の程度やがんの進行度合いがわかります。
今回記事の中で紹介しました情報を定期的な検診の受診と健康づくりに役立てていただけますと幸いです。
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