前立腺がん検査まとめ!検査別の方法や特徴、気になる費用を徹底解説!
本邦においても高齢社会の真っ只中で、前立腺がんの患者数は増加傾向です。
前立腺がんは前立腺にできるがんのことで、進行が比較的緩徐で発症早期では自覚症状がない方が多いですが、適切な検査や治療によって完治の可能性もあるがんです。 全国がん登録罹患データの統計調査によると他の部位のがんと比べると死亡数は少ないのがデータとして示されています。 しかしながら、“自分はがんなのか?” ”もし自分ががんになったらどのような検査をするの?”など心配になる方も多いと思います。
そこで今回は、前立腺がんの検査の内容や種類、方法などについて解説していきます。
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前立腺がんの検査について
前立腺がんの検査は主にPSA検査と直腸診検査があります。この2つの検査は早期発見のために現在で最も有用な検査で、精密検査前のスクリーニング検査のようなものです。
採血により血液を採取し、血液から前立腺におけるPSAの濃度調べる検査です。 もう一つのスクリーニング検査が直腸診検査です。この検査では医師が直接、肛門に指を入れて前立腺の状態をチェックします。前立腺がんを罹患していると表面が不均一であったり形が崩れていたりします。
現在では、超音波検査いわゆるエコー検査が発達し、肛門からプローブと呼ばれる機械を挿入して前立腺の状態をチェックする方法が主流です。
前立腺がん検査はどこで受診できる?
前立腺がんを疑った場合、病院にいくのはわかるけど、どこの科に受診すればいいのか?
まずは、医療機関の泌尿器科を受診してみましょう。おおきな総合病院でもクリニックの泌尿器科でも構いません。そこでまずは上記で上げたスクリーニング検査を受けてみましょう。
現在は、がんセンターなどがんに特化した医療機関が様々あります。そちらを受診してみるのもいいかとは思いますが、仕事の都合や自宅からの距離や混みやすさなどを考慮してまずはあまり深刻に考えず医療機関を受診するのが良いと思います。
検査での麻酔について
前立腺検査において、確定診断をするために前立腺生体検査(生検)という検査を行います。
前立腺生検は基本的には麻酔をしなくても行える検査ですが、一般的には局所麻酔で行うことが多いです。 全身麻酔は年齢や合併症の有無で判断する場合もあります。 麻酔の有無は医療機関によってそれぞれ判断が伴いますが、一般的には局所麻酔で行うことが多いです。
経直腸パターンでは仙骨(尾てい骨の上の方)麻酔を行い、会陰パターンでは腰椎麻酔を行うことが多いです。
前立腺がん検査の方法と種類
前立腺がんの検査では、スクリーニング検査、確定診断検査、病気診断検査の3つに分類することができます。
スクリーニング検査は採血によるPSA検査(腫瘍マーカー検査)、超音波検査があり、その時点で前立腺がんの疑いがあるようであれば、確定診断のために針を使用して前立腺の生体検査(生検)を行い、診断を確定します。
その際に診断の補助としてはCTやMRIといった画像による評価・検査も併せて行っていきます。 前立腺がんの診断後は、がんの進行度合いを確認するのに骨シンチグラフィーによる評価を継続して行っていきます。
【スクリーニング検査】PSA検査(血液検査)
血液検査を行う上で前立腺がんのスクリーニングを行う際は、前立腺にあるPSAという腫瘍マーカーが、どれだけ血中に惨出しているかでその可能性を検査します。
皆さんが普段聞く腫瘍マーカー云々というのはそれぞれの臓器にある腫瘍マーカーが血中にどれだけ漏れ出ているかを検査するのです。
前立腺の場合はPSAという腫瘍マーカーでがんの可能性を調べます。 PSAの基準値は一般的には0~4ng/mlとされています。4~10ng/mlはグレーゾーンと言われ経過観察が必要になります。
しかし、注意しなければならないのは年齢によっても基準値が変化することもあります。 また、基準値の下回ってもがんが見つかる場合もあるので、不安があれば精密検査を受けるのを推奨します。
【スクリーニング検査】直腸内直診
直腸内直診は、エコーと呼ばれる超音波検査を用いて直腸からプローブという超音波の器具を挿入して前立腺の状態を確認します。
エコーで見てみるとがんを罹患している前立腺は表面が滑らかでなく組織が不均一で、大きさも対称性が失われていることが多いです。 検査の際はプローブ部分に潤滑剤を塗布して摩擦を極力減らすようにしていますが、検査者によっては痛みを伴うこともあります。
現在は多くの病院で経直腸エコーとして超音波によるスクリーニングを行っています。
【スクリーニング検査】 画像検査
PSA検査や超音波検査と合わせて行っていく検査に画像検査と言うものがあります。CT検査とMRI検査による画像評価を行います。 どちらの検査でも造影剤を使用して前立腺の状態を確認します。
CT検査では人体に影響のない範囲での放射線を利用し、MRIでは磁気を用いてそれぞれ検査を実施していきます。 全身を投影する検査ですので、前立腺のがんの大きさを調べたり、他の臓器やリンパ節への転移の有無を確認することができます。
【確定診断】針生検
スクリーニング検査で前立腺がんの疑いがある場合、確定診断として前立腺の生体検査を行います。
エコーで直腸内を観察しながら、針を刺入して前立腺の組織を10~12か所採取していく検査になります。 針を多くの場所に差し替えたりするので痛みが伴う検査になります。
直腸から刺入する場合と会陰部から刺入する場合の2種類があります。 基本的に麻酔はせずに行える検査ですが、医師の判断により局所麻酔下での検査となることが多いようです。 また、検出血を伴ったりすることが多いため、感染症を引き起こす可能性があるので発熱や倦怠感などがある場合は主治医に報告しましょう
【病期診断】骨シンチグラフィー
病期診断検査とは、がんが今現在どの程度の進行具合で体の状態を把握するために必須の検査です。
がんの進行具合は医療ドラマでも用いられ「ステージ」というもので分類されます。特に、前立腺がんにおける分類はTNM分類というものを使用しリンパ節への転移の有無や骨への転移の有無を確認していくことになります。
骨シンチグラフィーは文字通り、骨を見るための検査です。 微量の放射線を含んだ薬を血管に注入して造影し、骨への転移を調べる検査になります。 骨への転移があると放射性物質が凝集する性質を利用した検査です。
【病期診断】CT、MRI
先ほどスクリーニング検査の章で出てきたCT・MRIは病期診断においても活用されていきます。
初回に画像評価を行い、経時的に画像検査を行うことでがんそのものの大きさの変化や転移の有無を時系列で評価することができます。
血液検査や生検は血液上のデータを把握するのに有用ですが、経過を追っていく上で前立腺がんの原発巣がどのような状態かを確認するには画像で判断するのが最も確実です。 その画像を元に進行具合や治療法の継続・代替治療への変更を検討していくことになります。
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前立腺がん検査の入院と入院日数
前立腺がんの検査は基本的には日帰りでの検査が可能です。これは、PSA検査などスクリーニング検査を対象としたものであり、MRIなどの画像検査を含めた精密検査だと検査入院となることが多いです。
前立腺がんの生検では針を挿入しての検査となりますので万が一、出血や炎症などにより感染症を引きおこす可能性はゼロではありません。 そのため、精密検査をする際は1泊∼2泊程度の入院が必要になることが多いです。
前立腺がん検査は何歳から始めるべき?
前立腺がんの症状としては初期の段階では自覚症状がない方が多いです。自覚症状が出てきたころには進行が進んでいたというリスクがありますので中年期にさしかかったら一度前立腺がんの検査を受けましょう。
前立腺がんの検診ガイドラインでは40~50歳の時に一度がん検診を受けることを推奨しています。
また、地域・自治体によっては年一回の無料の前立腺がん検診の申し込みを行っている場合もありますので確認するようにしましょう。
前立腺がん検査の費用
前立腺がんの費用について気になる方は多いことでしょう。
検査は保険適応となります。 前立腺がんのPSA検査などスクリーニングのみの検査ならば3割負担の場合は1000円∼2000円+初診料がかかると思っていてください。 また生検やMRIなどの精密検査の費用は1~3万円の医療機関が多いでしょう。
自治体によって、日帰りか入院を伴うかによっても金額は変動することが多いので各医療機関に問い合わせをしてみると良いでしょう。
まとめ
今回は、前立腺がんの検査の概要や種類、サービスについては解説していきました。
3大疾病でもあるがんは年齢を重ねてくれば、他人事では済まないかもしれません。 前立腺がんは適切な治療をうければ完治する可能性のあるがんですし、そのためには適切な検査を知っておくことは重要です。
何か気になることがある際にはこの記事を思い出してもらえたら嬉しいです。
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