線虫を用いたがん検査は高い？気になる費用や費用対効果、保険適用か解説！
最新のがんスクリーニング検査として話題の線虫がん検査。 1滴の尿から全身のがんのリスクを調べることができます。 早期発見に役立つことが期待されていますが、その費用対効果については意見が分かれるところです。
今回は、線虫がん検査のメカニズムとかかる費用、費用対効果について解説します。
最新の検査に興味があるけれど、“費用がどのくらいかかるのか気になる”、“きちんと見合った効果が得られるのか心配”。 そんな方にぜひ最後までご覧いただきたい記事です。
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線虫を用いたがん検査とは
たった1滴の尿からがんのリスクを早期発見できるという、線虫を用いたがん検査。 いったいどのようなものなのでしょうか。
線虫によってがんがわかるメカニズムと、見つけられるがんの種類について簡単に説明していきます。
検査のメカニズム
線虫がん検査は、線虫という生物ががんの匂いに反応する性質を利用してがんを見つける検査です。 犬の約1.5倍といわれる優れた嗅覚を持っている線虫。
最新の臨床研究の結果から、尿中のがんの匂いと正常な細胞の匂いを嗅ぎ分けること、がんのある人の尿へ引き寄せられることがわかっています。
微かながん細胞の匂いも高い精度で感知できるため、ステージ0～1の早期がんの発見にも有用とされるスクリーニング検査です。
診断できるがんの種類
線虫がん検査で反応が確認されているがんは次の15種類です。
- 胃がん
- 大腸がん
- 肺がん
- 乳がん
- 子宮がん
- 膵臓がん
- 肝臓がん
- 前立腺がん
- 食道がん
- 卵巣がん
- 胆管がん
- 胆のうがん
- 膀胱がん
- 腎臓がん
- 口腔・咽頭がん
5大がんに加えて、全身の多くのがんのリスクを調べることができます。
現在の線虫がん検査では、がんの種類の特定はできないため、あくまでもがんのリスクがあるかどうかを評価するための検査です。 高リスクと判定された場合は、早めに医療機関で相談するようにしましょう。
線虫を用いたがん検査の費用
最新の研究から生まれた線虫がん検査ですが、いったいどのくらいの費用で受けられるのでしょうか。
この章では、気になる線虫がん検査の費用を解説していきます。 費用相場と保険適用の有無、費用対効果についてお伝えします。
費用相場
線虫がん検査にかかる費用の相場は15,000円程度です。 医療機関で受ける場合も自宅で検査キットを利用する場合も、費用はほとんど変わりません。
線虫がん検査N-NOSEの費用は税込16,800円、半年ごとの定期検査コースだと1回あたり15,800円です。自宅で尿を採取して集荷を依頼する場合は、別途2,200円の集荷料金が必要となります。
比較的安価な費用で検査を提供できる理由は、高度な機器などを利用せず、低コストで増殖可能な線虫を用いているためです。
自己負担額と保険適用の有無
線虫がん検査は保険適用外のため、検査にかかる費用は全額自己負担となります。
また、線虫がん検査で高リスク判定となった場合に医療機関で受けるがん検査に関しても、保険は適用されず自費診療です。
最近では、線虫がん検査の費用の一部を補助してくれる健康保険組合もあります。 加入している健康保険組合の情報を事前に確認するようにしましょう。
線虫を用いたがん検査の費用対効果
線虫によるスクリーニング検査を受けることで、費用に見合った効果は得られるのでしょうか。
線虫がん検査の費用対効果についてはさまざまな意見があります。 費用対効果が高いとする意見、低いとする意見の両方を紹介します。
それぞれの意見を考慮して検査を受けるかどうかを判断するようにしましょう。
費用対効果が高いとする意見
通常、全身の総合的ながん検診や人間ドックにかかる費用は5万円～20万円以上と高額です。
線虫がん検査では、大幅に費用を抑えて全身のがんのリスクを検索できるだけでなく、早期がんの検出精度も高いといわれます。 低コストでより多くのがんを早期発見できる可能性があることから、費用対効果が高いと考えられています。
また、少量の尿を採取するだけなので、長時間の拘束や侵襲リスクがありません。 最小限の負担で検査ができることも、費用対効果が高いとされる理由の一つです。
費用対効果が低いとする意見
がんの検出精度が高いとされる線虫がん検査ですが、受けることで十分な利益が得られるという科学的な証明はされていません。 よって、明らかに費用対効果が高いとはいえないのが現状です。
また、一定の割合でがんでない人を陽性と判定する偽陽性が生じます。 前述の通り、線虫がん検査で陽性判定の方が受ける精密検査は自費診療です。 偽陽性であった場合、自費で高額な検査を受けても対価が得られないばかりか、検査による放射線被曝や合併症のリスク、精神的負担が生まれてしまいます。
検査を受ける際にはこうしたリスクも踏まえておくことが大切です。
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まとめ
線虫がん検査は、安価な費用で手軽にがんのリスクを知ることができる検査です。
早期発見に有用といわれていますが、その有効性を示す科学的根拠は乏しく、偽陽性の場合に費用面や身体面、精神面で負担が生じるリスクもあります。
そうした側面も十分に考慮して、線虫がん検査の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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