膵臓がん検査に用いるCA19-9とは?検査の概要、数値の見方を分かりやすく解説!

CA19-9検査は、膵臓がんのリスクを判定する腫瘍マーカー検査です。 膵臓がんは近年日本で増加傾向にあり、がんの中では罹患数・死亡数ともに上位に入っています。罹患率が増える50歳以上の方は、定期的に検査を受けることで早期発見につながります。

膵臓がんの検査では、手軽に受けられる腫瘍マーカー検査がおすすめです。 今回は、膵臓がんの腫瘍マーカー「CA19-9」の概要や数値の見方等について、ご説明します。

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そもそも膵臓がんとは?基本情報をおさらい

そもそも膵臓がんとは?基本情報をおさらい

「膵臓がん」とは、どのようながんなのか基本情報をご説明します。

膵臓がんは男女ともに罹患数も死亡数も多く、5年生存率も非常に低い予後の悪いがんです。リスクを下げるため、そして早期発見のためにも、症状や原因を知っておくことは重要です。

膵臓がんの症状・原因について

◆ 症状

膵臓がんは初期症状がほとんどなく、発見時にはステージⅣとなっていることが多いです。進行すると以下のような症状が見られることがあります。気になる症状があれば、早めに検査を受けてください。

  1.  腹痛  
  2. 食欲不振
  3.  腹部の張り
  4. 体重減少
  5. 下痢
  6. 黄疸
  7. 糖尿病の発症・悪化
  8. 腰・背中の痛み

◆ 原因

膵臓がんの原因は、まだはっきりとはわかっていません。しかし、例えば以下のようなものが危険因子と考えられています。

  1. 加齢(50歳以上)
  2. 糖尿病
  3. 喫煙
  4. 過度な飲酒
  5. 肥満
  6. 慢性膵炎
  7. 膵臓がんの家族歴

膵臓がん検査に用いられるCA19-9とは

膵臓がん検査に用いられるCA19-9とは

膵臓がん検査に用いられる「CA19-9」とは、どのようなものでしょうか。 ここでは、CA19-9が「腫瘍マーカー」と呼ばれる物質の一種であることや、検査の目的についてご説明します。

 

CA19-9とは腫瘍マーカーの一種

がんのスクリーニング検査の一つとして、「腫瘍マーカー検査」があります。この検査は、がん細胞が作る特定の物質の量をモニタリングする方法です。がんの種類によって様々な腫瘍マーカーがあります。

早期がんの発見には向いていない検査とされていますが、採血だけなので受診者の負担が少なく安価で手軽に受けられる検査です。 「CA19-9」は、腫瘍マーカーの一種です。胃がんや大腸がん、胆道がん、膵臓がん等、主に消化器系がんの腫瘍マーカーとして使われています。

膵臓がんでは、他に「CEA」、「DUPAN-2」等も使われます。 CA19-9は他の疾患でも高い値を示すことがあります。

例えば、膵炎、胃炎、肝炎、子宮内膜症、卵巣嚢腫、気管支炎等の良性疾患や、肺がん、卵巣がん、子宮体がん等の悪性腫瘍です。

CA19-9の目的と役割

CA19-9検査の目的と役割について、「がんのスクリーニング検査の場合」と「がんの治療後の検査の場合」に分けてご説明します。

① がんのスクリーニング検査の場合

一般的に、早期がんでは、腫瘍マーカー検査を行っても数値の上昇が見られないことが多いです。また、良性の疾患や病気以外の原因で高い数値が出ることもあります。

そのため、スクリーニング目的の場合は単独で使われることは少なく、他の検査の結果と合わせて、総合的にがんのリスクが判定されます。

膵臓がんの場合は、C19-9が高値を示し、さらに以下の項目のうち当てはまるものがあれば、精密検査を受ける必要があります。

・黄疸等の症状がある

・糖尿病等の危険因子がある

・血液検査で膵酵素が高値を示す

・腹部超音波検査で、膵臓に異常が見られる

② がんの治療後の検査の場合

がんの治療後、治療効果の確認や転移・再発の有無の確認のために、腫瘍マーカー検査は有用とされ実際によく行われています。その場合にも、他の検査の結果と合わせて総合的に診断がされます。

膵臓がん検査におけるCA19-9のメリット・デメリット

膵臓がん検査におけるCA19-9のメリット・デメリット

膵臓がん検査におけるCA19-9のメリットとデメリットについて、ご説明します。 どんながん検査にも、必ずメリットとデメリットはあります。

デメリットを理解し、ご自身が納得したうえで検査を受けるようにしてください。

メリット

膵臓がん検査でCA19-9を測定するメリットは、以下の通りです。

  1. 採血だけなので身体的・心理的負担が軽い
  2. 費用は比較的安い
  3. 膵臓がんだけでなく、胃がん・大腸がん・胆道がん等のリスクもわかる
  4. 治療後の再発・転移の有無の確認にも有用である

腫瘍マーカー検査は、がん検査の中でも手軽で時間もかからず費用も安いため、人間ドックのオプションで選択されることが多くなっています。

デメリット

膵臓がん検査でCA19-9を測定するデメリットは、以下の通りです。

  1. がんがある程度進行しないと数値が基準値を超えないことが多く、早期がんの発見には向いていない
  2. 膵臓がん以外に、他の多くの良性・悪性の疾患や、疾患以外の要因でも高い数値になることがある
  3. 進行した膵臓がんでも基準値を超えないことがある

スクリーニング目的で受診する場合は、あくまで補助的な検査項目であることを理解し、腹部超音波検査等の他の検査も受ける必要があります。

CA19-9の数値の見方

CA19-9の数値の見方

CA19-9の数値の見方についてご説明します。 腫瘍マーカーごとに基準値が設定されており、基準値を超えた場合は、何らかの疾患にかかっている可能性があります。

その場合は、医師と相談し必要ならば精密検査を受けてください。

CA19-9の基準値と高値

CA19-9の基準値は「37U/mL以下」で、この数値以下であれば正常とされます。 この数値より高い場合は、胃がん、大腸がん、胆道がん、膵臓がんといった消化器系がんの可能性があります。

ただし、肺がん、卵巣がん、子宮体がん等の他のがんや、膵炎、胃炎、肝炎、子宮内膜症、卵巣嚢腫、気管支炎等の良性腫瘍でも高値を示すことがあります。 さらに、早期のがんでは高値を示さないことも多く、健常者でも高値を示すこともあります。

そのため、CA19-9検査だけでなく、症状や危険因子、他の検査の結果も考慮してがんリスクを判定する必要があります。

CA19-9の数値が1000以上はがんのリスク大

CA19-9の基準値は「37U/mL以下」です。37~50U/mLで軽度上昇、50~100U/mLで中等度上昇、100U/mL以上で高度上昇とされます。

疾患が原因で基準値より高くなっている場合は、数値が高いほど進行度が高い可能性があります。 CA19-9の数値が1,000U/mL以上になると、がんの可能性が高く、かなり進行している場合があります。

そのため、医師と相談しながら精密検査を受けてください。膵臓がんでは、100,000U/mL以上の数値を示すこともあります。

良性疾患でも100U/mL以上を示す場合があり、例えば、胆管閉塞や胆嚢炎を伴う胆石症で、10,000U/mLを超える高値を示した症例もあります。

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CA19-9の検査の流れ

CA19-9の検査の流れ

CA19-9検査の流れは、おおよそ以下の通りです。

・医療機関に予約を入れる。

・検査当日は予約時間までに医療機関に行き、受付を済ませる。

・問診表に必要事項を記入する。

・医師から問診を受ける。

・採血する。

・検査費用を支払う。

・後日、自宅に検査結果が送付される。

CA19-9の検査費用

CA19-9検査の費用の相場はどのくらいなのでしょうか。

腫瘍マーカー検査は、大掛かりな装置が必要な他のがん検査と比べると、費用は安くなります。

保険適用と自己負担額

CA19-9検査を受ける場合の費用の相場についてご説明します。 人間ドックや健康診断のオプション等、任意で受ける場合は保険適用外となり、費用の相場は2,000~3,000円程度です。

ただし、他の検査でがんが疑われてCA19-9検査を受けることとなった場合は、保険が適用され1~3割負担となります。

まとめ

まとめ

今回は、CA19-9を用いた膵臓がん検査についてご説明しました。

・膵臓がんの症状は腹痛

・体重減少、黄疸等で原因は糖尿病・喫煙・家族歴等が挙げられる。

・腫瘍マーカー検査は、がんのスクリーニングのための検査。

・CA19-9は、大腸がん、膵臓がん等の腫瘍マーカー。

・他の良性・悪性疾患でも高値を示すことがあり、早期がんでは数値が高くならないことが多い。

・他の検査も行い、総合的にがんリスクを判定する。

・CA19-9検査は、がんの治療効果や再発の確認にも有用。

・メリットは、採血だけなので身体的負担が軽く費用が安いこと等。

・デメリットは、偽陰性・偽陽性のリスクがあること等。

・基準値は「37U/mL以下」。

・1,000U/mL以上ではがんの可能性が高い。

・検査費用は、2,000~3,000円程度。

膵臓がんは発見しにくいがんですが、早期発見により生存率は上がります。50歳以上の方や家族歴のある方、気になる症状がある方は、CA19-9等の検査を受けることをおすすめします。

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ご注意事項 リスク検査「ウィルテクト」の性質について:
当検査では、健常者とがん患者から得られた解析結果を照らし合わせ、リスクの度合いを情報として提示します。この検査は体内環境におけるリスクを把握することを目的としています。健康診断や精密検査などのメディカルチェックや疾患予防への対策検討等への参考として利用されます。

検査結果の有用性について:
診断を目的として実施する画像解析や血液・生化学検査等に代わるものではありません。また、体内にがんがあるかどうかを判断する検査ではありません。がんの診断にはがん種ごとに定められているガイドラインに基づく診断が必要です。

参考文献との関連性について:
紹介した検査は、参考文献の統計データを基にお客様の遺伝傾向を予測するものであり、現在のお客様の健康状態とは異なる場合があります。

医療行為との区別について:
当記事で紹介した検査は、医療行為に該当せず、診断ではありません。検査結果は医師の診断内容や処方箋を置き換えるものではありません。